家は人生の表現の仕方ー那須塩原市F様邸

2023.6.3

建築素人の施主さんがDIYで作った家にはプロが建てた家にはない独創性、奇抜さがあります。それが実に味わい深く、そこまでこだわるかと感心、いや感動します。一昨年ハーフビルドで完成したFさん宅でそんな感動に２つ出会いました。

9mm厚ベニヤの妙

一つはご主人が住みながら作った壁収納棚、薄い９mmの合板を十字に交差させてDIYしたものですが、大工さんは9mmの薄い板で棚など絶対に作りません。安全とクレームを考えて20mm以上の厚みで作ります。でも板が厚いと出来上がった時に重厚すぎて意匠的にイマイチ、一方Fさんの棚は9mmの薄いベニヤだからこそ出るスッキリした印象、これぞDIY家づくりの醍醐味です。

欲しいタイルを探す執念

もう一例は同じFさん宅のキッチンの壁に貼ったタイルです。奥様がとあるカフェで使っていたタイルが気に入って自宅でも使いたいと、しかし「お店の人には恥ずかしくて聞けない」、ネットで探しまくってようやくとどりついたのが平田タイルのspatulaというデザインタイルだったそう。かつて某施主さんが「ハーフビルド中は寝てる間も頭の中で家のことを考えている。」とおっしゃいましたが、たぶんFさんも同じ境遇だったのでしょう。ハウスメーカーや工務店に頼んでいたら絶対に辿り着けなかったこの平田タイル、これもDIYの家づくりの醍醐味と言えるでしょう。