那須の土地を自分で探す方法 前編
2023.6.5
23年前ハーフビルドで自宅を建てられたHさんの土地探しは実にユニークでした。家を建てたいエリアが一望できる山に登って候補エリアを決めたら次はそこを歩いて見て周り、気に入った空土地があったのでその土地の所有者を調べて会いに行き、不動産会社を通じて交渉してもらい購入にこぎつけました。前回のブログでも書きましたが、不動産屋さんが売り出している土地の中から選ぶだけでは今の那須の土地事情からすると良い土地に巡り合えることが難しい状況になっているため、欲しい土地を自分で見つけて所有者と交渉して購入する方法も知っておいて損はないと思います。ちなみに、この欲しい土地を見つけて地主と交渉して購入する方法を不動産業界では「地上げ」と呼んでいます。言葉のイメージは悪いですが、違法な行為ではなく、やりようによっては希望に沿った土地が安く手に入るので、時間をかけてでも那須で良い土地を探したいとお考えの方は「地上げ」による土地探しを検討してみてはどうでしょうか。
土地を探す
Hさんは山頂から欲しい土地を探しましたが、今ではGoogleマップの航空写真があるので自宅で手軽に探せます。が、那須の土地の大半は立木が生えていて航空写真では木が邪魔になり土地の様子が分からないことが多いので、やはりエリアや分譲地を絞って車で廻りながら探すのが効率的でしょう。当社ではドローンを使って那須の希望するエリアを空撮し候補地を探すサービスも行っています。詳しくはお問い合わせください。
NGの土地
まず土地を探し始める前に頭に入れておいて欲しいのは、住宅建築に適さない土地、そもそも建築ができない土地があるということ。下にあげたような土地はできれば候補から除外した方がよいです。
1 農地
2 急勾配の傾斜地、崖が近くにある土地
3 南から北に勾配した土地
4 極端に南北に長い土地
5 ジメジメした土地、道路や隣地より極端に低い土地
6 建築基準法上の道路に接していない土地
7 水道が引けない土地
農地
農地は農地法で建築が規制されているのでできれば避けたいです。休耕地も然り。登記簿上で地目が山林や原野になっていて大丈夫と思っても、実際は農地になっていると農地法規制対象となります。曖昧な場合は那須町役場農業委員会へ行って確認してください。またどうしても気に入った土地が農地でそこに建物を建てたい場合には専門家(不動産業者、土地家屋調査士)に相談します。
急勾配の土地、崖が近くにある土地
急勾配の土地は建築コストがかかるので避けた方が無難です。また土地自体に傾斜がなくても近くに傾斜30度以上の崖があると崖地規制がかかるので避けた方が無難です。広い土地で建物を建てる場所が崖から離れていれば問題ありません。
南から北に勾配した土地
勾配の土地でも勾配が緩やかであればさほど建築コストはかかりませんが、ただ南から北に向かって傾斜している土地はリビングから南を見た時に土地が迫ってくる感覚があるので住んでいてなんとなく違和感があります。また土地の南が高く北が低いと雨水がリビング付近のテラスやデッキ下に流れ込むためリビング付近がいつもジメジメします。「南高北低」の土地は避けた方がいいです。
極端に南北に長い土地
敷地が極端に南北に長いと建物も南北に長くなるため、昼間でも照明をつけないといけない暗い部屋が出来がちなのでできれば避けるべきでしょう。ただ南北に細長い土地でも東西方向に10m以上あればさほど設計の支障にはなりません。やはり東西方向が長い土地の方が建物にはベターです。特に平屋を建てる場合には出来たら東西方向に15m以上は欲しいです。
ジメジメした土地、道路や隣地より極端に低い土地
このブログの第4話でも書きましたが那須の広谷地周辺には地名が示す通り地下水脈が低いためにジメジメした土地が多いです。土地に入って湿気がちな場所があったり、水が湧き出ていたり、接する道路や隣地に比べて極端に低くなっていて雨水が常に流れ込むような土地は避けるべきです。
建築基準法上の道路に接していない土地、水道が引けない土地
少し専門的になるため次回ブログで具体例を挙げて解説します。