漆喰左官塗りも佳境を迎え徐々に各部屋の様子が伺い知れるようになってきました。ハーフビルドは現場で施主が作りながら考えるのが大きな特徴で、当然仕上げ仕様書や設計図は無いため、完成しないと全貌が分からなのです。各部屋をぐるっと一巡して感じたのは、各部屋各部屋どれも”顔”が違うということ。その違う顔を形作っているのが、窓でした。外壁の窓はどれも米国製アンダーセン社の木製サッシですが、窓枠（ケーシングともいいます）の形とカラーリングが部屋毎に違えているので、同じ窓には見えません。また内壁の窓、つまり通風や明り採りのための室内窓は、骨董屋さんで買ったステンドガラスを除いてすべて森上さんが自作した木の窓です。現場で余ったり、切り損じた床板や天井板などをじょうずに組み合わせて作ってきました。”窓自体の景色”を、とくとご覧ください。

2014年3月5日
（左）土間サンルームのアンダーセン窓には杉のラフ板でケーシングをとり、塗装はクラシックな色調のブルーで　＜右＞玄関室とサンルームの間仕切り壁には古いステンドガラスをはめ込んだ

2014年3月5日
（左）この連載の第14話でも紹介した森上さん自作の内窓。モロッコスペースの明り採り窓で、ちょうど漆喰の色を塗り分けた中間に位置しています
（右）グリーン塗装されたアンティークの横長窓はモロッコスペースと寝室と間仕切り壁の上部開口部に蝶番で付いている上吊り開閉式。寝室の通風兼明り採りとして使われます

2014年3月5日
（左）吹抜けに面した2階部屋の明り採り窓。カラフルな1階とは打って変って、２階はシックな色調で仕上げました
（右）寝室北面の窓。アンダーセンの縦長ケースメント窓を杉のケーシング材とともに白ペイントしました