薪ストーブのある冬の暮らし 第12話
2016.2.6
来シーズン用の薪づくりが佳境です。
昨年末に入荷した広葉樹の原木を正月休みにチェンソーで玉切りにし、1月から2月にかけて斧で割って薪を作っています。最近では油圧の薪割り機がホームセンターでも売っていて、機械の力を借りて手軽に薪づくりも出来るようになりましたが、私は頑固に手割りにこだわっています。斧で一本一本割ることで薪に愛着がわくからです。
木の年輪にひねりがあったり大きな節が入っていると、木は極端に割りづらくなります。何度も何度も斧を振りかざして、それでも割れないときには楔(くさび)を使ったり、超重量級の斧を使ってなんとか割ります。「割る」より「力で破壊する」感覚です。
そしてようやく割れた時には、腕と腰が悲鳴をあげハアハアと息を切らしていることもよくあります。そんな「手強い薪」と1年後にストーブの前で再開した時には、「おぬしは手強かったな」と話しかけながらストーブにくべます。手を焼いた薪ほどゆっくりと時間をかけて燃えてくれます。木目が複雑に絡み合って木の繊維の密度が高いためです。素直な奴はすぐにくたばる(燃え尽きる)が、ひねくれた奴はしぶとい(なかなか燃え尽きない)。なんだか人をみているようだ。
死ぬまで薪割りを続ける、しかも手割りで。まじめに私の目標です。