株式会社ハーフビルドホーム Half Build Home

  • お問い合わせ・カタログ資料請求お問い合わせ・カタログ資料請求

株式会社ハーフビルドホーム Half Build Home

TOPスタッフブログ令和の傑作移住日記

令和の傑作移住日記

2024.3.20



これは間違いなく令和の傑作田舎移住エッセイです。

「現代アートを続けていたらいつのまにかマタギの妻になっていた」(大滝ジュンコ著、山と渓谷社刊)

3月16日の新聞書評欄で知り取り寄せて読みました。

まずは読後の感想、美大出で都会育ちの大滝ジュンコさんが移住し嫁いだ新潟のマタギ集落・山熊田集落での生活と人々への暖かい眼差しがじつに軽妙な文章で綴られています。文体が実にいい、都会ではありえない新鮮な驚きやその時々の心情を実にうまく言葉に表現している。ちゃんと芯のある美術アーティストであることがその文体から窺えます。


山熊田集落に魅了され通ううちにある日「おめさん、ここに来る気はあるか?」と村のお婆さんに聞かれた1年後、彼女は無口なマタギの剛さんに嫁ぎました。移住し嫁いだ先はその名の通り山と熊と田んぼしかない「自分が知っている田舎ではなく突き抜けて田舎」だったそうです。


「水も薬も美味しいご馳走も燃料も、工芸素材や心を奪われる絶景までも、すべて山にある。私より体力たくましい爺や婆がいる。しかも皆オシャレで心も豊かだ。現代の日本とは思えないこの彼らの日常は、私には圧倒的非日常だった。」(文中より)

18軒、37人の小さな村。大量のまきを割り、ヤマドリを捕り、熊を撃ち、村の伝統的な工芸品「羽越しな布」を織る生活。彼女のたくましさの源はアーティストの感受性と見ました。



著者の大滝ジュンコさん、山熊田集落の伝統工芸品・羽越しな布の復活に向けて奮闘中

最新記事