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那須の土地を自分で探す方法 後編

2023.6.9


前回ブログでは那須の土地を不動産屋さんを使わずに自分で探す場合の留意点について書きました。今回は気に入った土地が見つかった後のより実践的な土地調査についてケーススタディーを使って解説します。土地の所有者までたどりつくのは、実は想像するほど難しくはありません。用意するものはスマホとゼンリンの住宅地図(那須町)だけです。ただ後半で書きますが、「道路」と「水道」が要注意で、ケースによっては不動産素人には判断が難しいことも結構ありますので、その場合は宅建業者(当社も宅建業者です)の力を借りた方が良いでしょう。


気に入った土地を見つけた! 


とある6月の休日、那須のファミリーロードをドライブしていたら小高い土地が目に入りました。早速ファミリーロードから砂利道に入ってその土地に着いたら希望に沿った土地に近いため調査することにしました。


3つの地図を使って土地の地番、所有者、面積を調べる


地図1 Googleマップ


まずスマホのGoogleマップで位置を確認します。自分のいる位置情報がすぐに分かって便利ですがGoogleマップには地番や住宅の表札名までは出てこないので土地の地番を調べるためにゼンリン住宅地を用意します。








地図2 ゼンリン住宅地図


Googleマップを拡大すると那須町全体のどの位置に当たるかが分かるので、次にゼンリン住宅地図の該当ページを開きます。土地の場所が分かったら地図上にマークします。


地図3 公図


公図とは法務局が管理する公的な地図情報です。10年くらい前までは法務局まで行って申請して紙の公図を手に入れるしか方法はありませんでしたが、今では不動産専門家以外の誰でもネットから公図を即座にPDFダウンロードすることができます。公図の入手方法は次回ブログで解説します。事例解説に戻ります。住宅地図上の近所の住宅の地番、上記の事例では那須町高久丙1195-198が最寄の住宅なのでその地番の公図を取ります。手に入れた公図が↓です。





当該地の公図です。綺麗に区割りされているので分譲地であることが分かります。



最寄の住宅−高久丙1195-198との位置関係から当該地は那須町高久丙1195-124/125/216/560/561/562/563の7筆であることが分かりました。余談ですが「筆」とは地番が振られた土地の最小単位のことです。南側が開けた土地はこの分譲地の最南端にある1195-563なので、この筆だけは絶対に外せません。


登記簿謄本から土地の所有者と面積を調べる


公図で地番が判明したら今度は登記簿謄本を入手します。登記簿謄本とは公図と同じく法務省が管理する公的な土地情報で、所有者名、所有者住所、土地の地目、土地の面積が記載されています。とりあえず当該地の南側の3筆−高久丙1195-561/562/563の登記簿謄本を入手します。公図同様にネットからダウンロードすることもできます。3筆の登記簿謄本が↓になります。表題部に土地の住所、面積、地目が書かれています。権利部に所有者の履歴が書かれていますので、一番下の現在の所有者をみます。






土地購入に向けての戦略を考える


戦略とは大袈裟かもしれませんが、どの土地から攻めるかを考えます。高久丙1195-561の所有者は東京在住者、562/563は同一の所有者で那須町在住の株式会社と判明しました。562/563の面積はそれぞれ331平方メートル(=100坪)、337平方メートル(≒102坪)併せて668平方メートル、202坪なので面積的に2筆で十分と考えれば、この2筆の所有者とだけ交渉するので足ります。しかもこの2筆所有者は那須在住の株式会社なのでネットで調べればすぐに会社の電話番号も分かるかもしれません。そうなれば事はスムースに運びます。しかし300坪は欲しいとなると東京在住の個人の方に手紙を出して交渉する必要があります。登記簿には所有者の電話番号やメールアドレスは書いてありませんから手紙を出すか住所を尋ねる以外にコンタクトの術はありません。考えた末の戦略はこう、最初2筆を所有する那須在住の株式会社にコンタクトし購入できそうとなったら、次に東京在住の個人所有者の方に当たる。最悪2筆202坪購入でも良しとする、です。


道路と水道がキーポイント


道路を調べる


先の住宅地図と公図を見比べてください。住宅地図には当該地の前に道路がちゃんとありますが、公図には道路がありません。これはこの道路が私道で道路に接する両側の土地所有者が所有していることを意味しています。参考までに↓の公図に私道部分を黄色でマークしました。ちなみに公道(国道、県道、町道)は公図上で「道」として記載されています。大事なのはここから、この私道が「建築基準法上の道路」かどうかです。建物を建てるには土地が「建築基準法上の道路」に2m以上接している必要がありますが、那須には実際に多くの人が使用している道路でも「建築基準法上の道路」でない道路、専門的に言うと「位置指定が取れていない道路」が無数にあります。このため那須の分譲地で私道に面している土地を購入する場合には注意が必要です。ケーススタディー解説に戻ります。今回の土地が面する私道が建築基準法上道路認定された「位置指定道路」かどうかそれを調べるには、那須町役場の建設課、ないしは大田原土木事務所管理課に行って調べる必要があります。ネット上にはその情報はありません。この辺りの調査は専門知識が必要となるので、できれば当社のような宅建業者に任せたほうが無難と思います。なお明らかに公道に面している1195-220などの場合には問題がないので調べる必要は特にありません。





水道を調べる


道路の次に大事なのは水道、水道がちゃんと引ける土地なのかどうかを調べます。分譲地であれば近所を散歩している人に聞いてよいですし、分譲地管理事務所があればそこで聞いてもいいです。分譲地ではない場合は、那須町役場上下水道課に行って前面道路に町営水道が引かれているかどうかを調査する必要があります。もし前面道路に町営水道が引かれていない場合には「何メーター引き込み工事をしなくてはならないか?」を水道課で聞いてください。アスファルトで舗装された道路の場合、水道引き込み工事の際にアスファルトをめくって水道管を敷設し最後にアスファルトを復元する工事をすることになるので工事費が大きくかかります。ざっくり100m水道管を引っ張ってこようとするとアスファルト舗装道路の場合で200~300万円、未舗装の道路で100万円以上かかります。道路同様に水道に関しても専門知識が必要となるので不動産専門家の宅建業者に依頼した方が無難です。



次回ブログでは公図、登記簿謄本の入手方法、さらに土地地権者へのコンタクト方法について触れます。


 


<注> 今回のケーススタディーで使用した土地は実際に購入可能か、建築可能か、水道が引けるかは分かりません。あくまで土地を自分で調査する方法を分かりやすく解説するためにケーススタディーとして取り上げた土地です。このためこの土地を地上げしてほしい、購入したいといったご依頼を受けることはできません。


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