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那須移住、那須のどこに住むか?

2023.5.11



2020年のコロナ禍以降、那須への移住者が急増したため那須の土地はすごい勢いで売れました。今でも那須の土地を探す方が後を絶ちません。「那須のどのあたりの土地がオススメか?」「土地をどう探したたらいいか?」 那須で土地を探して当社を訪れるお客様に必ず聞かれる質問です。今回から5回シリーズで那須のエリア別の特性、主だった分譲地の特色、そして土地の探し方ついて解説したいと思います。

まず初回は「那須のどこに住むか?」について考えてみたいと思います。


那須町と那須塩原市


那珂川を挟んで西が那須塩原市、東が那須町です。隣同士で生活圏も重なるため、「那須町も那須塩原市も同じようなもの」と思ってられる方が多いですが、実は両自治体の住環境政策は結構違います。那須町には御用邸があることが大きく影響しています。那須町と那須塩原市は合わせると本州で最大の牛乳生産地で牧場や牛舎が多いため那須塩原市青木地区周辺に行くと結構牛舎の匂いが気になります。しかし那須町には牛舎はあっても匂いはありません。どうして? 那須町は御用邸があるため匂いに対する規制が厳しいからです。那須町では牛糞を必ず屋根のある場所で保管することが義務付けられています。牛糞は雨ざらしにすると強烈な匂いを発しますが、雨のかからない場所で保管すれば乾燥堆肥となって匂いはほぼゼロです。

また那須塩原市には産廃処分場が多いです。那須塩原市は旧黒磯市時代から産廃処分場を積極的に誘致してきた歴史があります。一方那須町には産廃はありません。太陽光発電所建設に対する規制も那須町の方が厳しいです。

このため、土地の価格は那須町の方が高いのですが環境の良さから「那須町の土地が欲しい」という方が多いのも事実です。

那須塩原市の土地がダメというつもりは毛頭ありませんが、このブログでは紙面の都合もあり那須町に限定して解説していきます。ご容赦ください。


那須町は住環境的には5つのエリアに分けられる


下の地図をご覧ください。緑で塗られたエリアが那須町です。南北の中間当たりに国道4号線が走ってますが、那須の分譲地や観光施設、店舗はその4号線の北側にあります。4号線の南側は那須町役場のある黒田原地区を中心に地元民の方が多く住んでいます。なので那須へ移住する方のほとんどが4号線から北側で土地を探します。赤色で示した南北に走る道路が那須のメインストリートの那須街道です。東北道那須ICで下車して那須街道を那須岳へ向かって北上していくと3つの大きな交差点を通過します。地図では赤い矢印で示しています。南から田代小学校前交差点、広谷地交差点、一軒茶屋交差点です。那須に住む人はよく「3つの交差点ごとに季節の景色が変わる」と言います。冬に那須街道を走ると田代交差点あたりでは雪が無いのに広谷地交差点まで来ると10センチくらい雪が積もっていて、さらに一軒茶屋まで標高が上がると積雪も増えて真冬の雪景色になることがあります。標高で言うと、田代400メーター、広谷地480メーター、一軒茶屋570メーターくらいです。この3つの交差点を境に気温や景色が変わるため、ここでは3つの交差点を軸にして那須町を5つの住環境区分に分けてみました。なおこの5つの区分は私が「那須移住」の視点から独自に考えたもので那須町が行政区分しているものではありません、念の為。


エリア1 那須街道を中心とした一軒茶屋交差点から北のエリア

エリア2 那須街道を中心として広谷地交差点から一軒茶屋までのエリア

エリア3 那須街道を中心とした田代小学校交差点から広谷地交差点までのエリア

エリア4 福島県寄りの東側エリア(豊原、大島、千振など)

エリア5 国道4号から南側のエリア (地元住民の多いエリア)



エリア1 那須街道を中心とした一軒茶屋交差点から北のエリア


那須のリゾート地、別荘地としての歴史はこのエリア1から始まりました。その起源は那須御用邸です。大正から昭和にかけて那須御用邸が建設されましたが、空気と水がきれい、景観良好、地震に強い地盤、この3つが御用邸建築候補地の中から那須が選ばれた理由だそうです。戦後昭和30年台に御用邸と同じ標高約600メーター地点に那須で最初の高級別荘分譲地「那須ゴルフ倶楽部分譲地」ができました。当初那須ゴルフ倶楽部は旧子爵侯爵のような身分の方で入会できない敷居の高い社交場で、「御用邸と同じ標高にあるゴルフ場付き別荘地」が売りだったそうです。このため古いが豪奢な洋館別荘がこのエリアには今でも残っています。このエリアは那須登山の入り口に位置し那須湯本温泉もあるため昔は那須観光の中心的な場所でしたが、時代の変遷とともに那須観光の中心は南へ移動し、現在の中心は広谷地交差点付近となっています。現在、このエリアで住宅が建てられるのは一軒茶屋交差点から湯本温泉までの区間です。それより上(北)は国立公園規制が厳しいため住宅は見当たりません

移住を前提とした住環境の視点から考察するとこのエリア1の特徴は以下になります。

特徴1 平坦な土地は無い傾斜のある土地が大半、坂道が多い  特徴2 冬は積雪があって寒い 特徴3 夏はエアコンなしで過ごせる 特徴4 自然環境がワイルド 特徴5 地盤は総じて強い

傾斜地がほとんどで坂も多いので冬の凍結した雪道が心配な高齢の方にはちょっと向かないかもしれません。ただ生えている木の植生もこの辺りまで来ると随分とワイルドになり、ブナやミズナラの巨木を目にすることもできます。ワイルドな自然環境が好きでエアコンなしのリモートワークを望むのでしたらこのエリアはオススメです。昭和30年台に建った古い別荘は結構景観の良い場所に建っていたりするので、老朽化して使われていない空き家別荘を解体し新たに新築を建てるなんてスキームも十分に考えられます。なおこのエリアに定住の家を建てるのであれば那須町の省エネエリア区分4地域の断熱性能よりワンランク上の断熱性能(3地域の断熱等性能等級4、または4地域の等級5)の家を建てることオススメします。また準寒冷地なので基礎の深度も深くなり傾斜地の深基礎になるので、どうしてもこのエリア1での建築コストは割高になる覚悟も必要です。さらに国立公園内となるため建蔽率は10%から20%、ある程度広い土地でないと家が建てられません。仮に建蔽率10%とすると平屋の床面積30坪の家を建てるには300坪の敷地が必要です。住所で言うと「那須町湯本」になります。主な分譲地は那須ゴルフ倶楽部分譲地、平和郷分譲地の高原道路より上の区画、那須ハイランド分譲地の高原道路より上の区画になります。



エリア1は那須岳の麓で春の新緑、秋の紅葉がすばらいい。画像は那須ゴルフ倶楽部HPより抜粋



エリア2 那須街道を中心として広谷地から一軒茶屋までのエリア


那須で今最も人気のあるエリアです。ほどほどの標高でスーパーやコンビニへのアクセスも良好で周りに飲食店も多いので住みやすい環境です。国立公園内ではないため建蔽率も大半が40%で建築規制も少なく土地の傾斜も少ないため住宅建築には良好な場所です。分譲地では平和郷が昭和30年台に開発された最も古い分譲地で、その後開発された那須ハイランド分譲地、相鉄那須分譲地、守子の郷分譲地、ロイヤルバレー分譲地、東急HILLS分譲地など那須を代表する分譲地のほとんどがこのエリア2にあります。ただ人気が高いためコロナ禍以降那須の土地が売り手市場となってからは価格も上がり、特に人気の「分譲外の土地」※では坪当たり3万円前後の土地が多くなっていますし、分譲地外の土地自体探すのが困難になっています。地盤はエリア1同様に総じて強いですが、南側の広谷地付近では弱い場所もあります。住所は「那須町高久乙の全域」と「高久丙の一部」になります。

<※注>分譲地外の土地は水道が町営水道で分譲地管理費がかからないので人気がある。ただ分譲地のように200坪前後で区切られていないので500坪上の広い土地が多く土地総額も1,000万円前後みておく必要がある。



エリア2は那須岳の麓から少し下がった標高480メーターから550メーターくらいのエリアでエリア1ほど傾斜地ではないため暮らしやすい。



エリア3 那須街道を中心とした田代小学校交差点から広谷地交差点までのエリア


このエリアは平坦で雪も少なく生活しやすいため10年ほど前までは那須定住人気ナンバーワンのエリアでしたが、年々夏の気温が上がり、最近ではより標高の高いエリア2に人気で移っています。かつて沢山の定住住宅がこのエリアで建築されたため家が密集しており「周りに家のない静かな環境を求める」方には不向きかもしれません。が、住みやすさを第一優先にするのであればこのエリアで探すことをオススメします。余談ですが20年前まではこのエリアで夏エアコン無しでも暮らせましたが、今はエアコンは必須になりました。このエリアの分譲地ですが、エリア2にあるような大規模分譲地は少なく小規模な分譲地、自治会運営の分譲地が多いです。また最近売りに出される分譲地外の土地はこのエリアが多いようです。人気の高いエリア2の土地よりも若干割安で売り出されていますので土地にお金をかけたくない方には良いかもしれません。このエリアで那須街道周辺から少し離れた所には田園風景が広がる抜け感のある景観良好な土地が広がっています。そんな場所を見て回って目をつけた土地を地上げ(※)するのも一考の価値ありと思います。地盤は総じて弱いです。那須岳の伏流水がこの辺りで地表近くに上がってきて地下水水位が低いためです。住所で言うと「那須町高久甲」になります。

<※注>目をつけた土地の所有者と交渉して土地を売ってもらい購入する手法を地上げと業界では読んでいます。呼び名は悪徳商法っぽいですが違法な手段ではないので、売り出されてる土地では希望に合う土地がなかなか見つからない場合には地上げで土地を探すのもありです。ただ時間がかかりますし、所有者にたどり着けなかったり交渉が流れたりして地上げできなかった場合には、要した時間とお金が無駄になる覚悟も必要です。なぜなら那須の土地所有者は別荘建築目的で購入した人が多く、那須以外の遠隔地に住んでいるケースが大半でその土地所有者をまず探し出して交渉のテーブルに着くまでが大変なんです。このため通常の法定仲介手数料だけで地上げをやってくれる不動産屋さんは少ないと思います。



那須の人気施設「道の駅 友愛の森」はこのエリア3にあります。ここでは毎日新鮮な産直野菜が買えます。



エリア4 福島県寄りの東側エリア(豊原、大島、千振など)


北海道富良野地区のような雄大な景観が圧巻です。周りに人家が少ないく那須連山を毎日眺めながら暮らしたいと希望する方はこのエリアがいいかもしれません。ただ買い物や学校などへのアクセスはあまり良くないので、生活利便性よりも景観と周りに家のない環境を重視する方向けです。冬の積雪もエリア1と同じくらいあります。このエリアの分譲地は小規模で数も少なく、また売り出される土地も少ないので、土地を探すには不動産屋さんの協力のもと時間をかけて探すことになります。また町営水道が来ている場所も限られているため、まず町営水道本管敷設地図を那須町水道課で入手し水道が引けるエリアを確認して土地探しを始めることになります。



5年前に仲介したエリア4の土地から雄大な那須岳を臨む



エリア5 国道4号から南側のエリア


先にも書きましたがこのエリアは地元住民が大半で別荘や都会からの移住者の住宅はごく限られています。ただこのエリアは次のような魅力に溢れています。

1懐かしい里山風景が広がる 2那須街道周辺のように観光客がいない 3土地が安い 4那須町役場のある黒田原地区は学校、スーパーなど生活インフラが整っている 5 建築規制が緩い

特に上の地図に示した建築確認不要の都市計画区域外(紫で囲ったエリア)は観光地別荘地として開発された那須とは全く別の風景世界が広がっています。田畑に囲まれた静かな山里に居を構えて地元コミュニティーと関わりながら住むのも、新しい那須移住スタイルとしてオススメしたいです。建築確認が不要なので建築コストが抑えられるのも嬉しいですね。

問題は土地探し。分譲地はありません。売りに出る土地も皆無なので地上げで探すしかありませんが、このエリアの土地所有者は大半が地元の方なので所有者を探し出して交渉するのは他のエリアに比べてハードルが低いと言えます。



福島県との県境に近い大畑地区。3年前の春、山菜取りに行った時に撮影。ここに終の住いを建てたいと当時思いました。



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