私の中のボブ・ディラン 後編
2016.10.25
「ボブ・ディランは大嫌い。あのぬめっとしたボーカルを聴くと鳥肌がたつ。」
といったのは荒井由美さん。
私はディランもユーミンも、どちらも好き。だからこそ、彼女がなぜディランが生理的に合わないのか、よく分かります。
ユーミンは一曲だけでも好きになれるのに対し、ディランの場合は彼の数多くの曲を聴きこまないと良さは理解できません。
「ディランの歌をはじめて聴いた人は、まるでネズミが歌っているようで気分が悪くなる。が、彼のいろいろな曲をじっくり数多く聴くと、じつに繊細で美しいメロデイーの曲が多いのに気づく。」
英国人の音楽評論家ピーター・バラカンさんのコメント。同感です。
もし彼が自作自演で歌わなくてもっと歌のうまいシンガーが歌っていれば歴史的名曲であったであろうと思われる曲が、沢山存在するように思います。
「ディランが嫌いな人は食べず嫌いなだけ。じっくり聴きこめば絶対にハマる。」
ディランフリークで有名なみうらじゅんさんがラジオ番組でこんなこと言ってました。
でも今から新たにあのデイランをじっくり聴きこむというのは、ちょっと難しいんじゃないかな。。。
少なくとも70年から彼と同時代を生きて、同じ時代の空気を吸わないとね。
「彼は何を考えているのか全く理解できない。1万円もコンサートチケット代を払ったのに。ディランときたらギターも持たずステージに立ち、原曲が分からないほど崩して数曲歌い、あげくの果てには15分でステージを降りてしまいやがった。」
ディランの日本公演に行った時の私の感想。
サービス精神のみじんも感じられないディランの態度に、おそらくコンサート会場を埋め尽くしたファンは気持ちをどう整理したらいいのか困ったはずです。これほど腹立たしく理解に苦しむコンサートは、後にも先にもディランだけ。
ボブ・ディランって人は、ほんとに理解に苦しむ変わり者なんです。ですから、彼は12月の授賞式には出席しないだろうと、我々昔からのファンは確信しています。