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TOPスタッフブログ若者諸君、田舎で暮らそう 第3話

若者諸君、田舎で暮らそう 第3話

2014.8.29


若くして田舎に移住しようとすると、やはり仕事がネックになると思います。
私の経験談をすこしお話しさせてもらいます。


このHPの最初にも書きましたが、40歳の時に東京の会社を中途退職し、那須へ移住してかみさんと二人で家を8ヶ月間かけてセルフビルドしました。建築中は雇用保険(失業保険)がもらえたので、生活費には困りませんでしたが、雇用保険が切れてからは収入がゼロになり、生まれて初めて貯金を取り崩しながら細々と食いつなぐ生活を余儀なくされました。田舎暮らしをはじめて最初の2年間は安定した収入が無いため、東京時代の先輩や友人、元の会社の取引先から仕事をわけてもらい、なんとか食いつなぐことができましたが、もう一度やれと言われても絶対にやりたくない、精神的にも経済的にも追い詰められた状況でした。そんな経験があるので、働き盛りに安定した仕事がないことの辛さやみじめさは痛いほどわかります。


移住当初は、「田舎に根を張って田舎で事業を始めるんだ。」と息巻いていたのですが、なかなか考えたように簡単には田舎で事業が立ち上がるはずもなく、段々と時間が経過するにつれ、「田舎で自立するのは無理なんじゃないか。いっそ東京の会社に就職して新幹線通勤しようか。」と、弱気になった時期もありました。

しかし、「独立起業して家づくりの仕事をする」という初志を貫かねば一生後悔するだろうと思い、「ここまできたらもう後戻りしないで前に飛び込むしかない」と、かみさんと二人で決意し、銀行から会社設立事業資金500万円を借りて、株式会社ハーフビルドホームを立ち上げたのが、今から11年前の2003年でした。

お金が無いので、会社設立1年目はありとあらゆることを自分たちでやりました。例えば面倒な会社の設立手続きも行政書士を使わずすべて自分でやったし、黒磯市内で借りた事務所の内外装リフォームも、外壁の塗り替えから内部の床壁天井の張り替えまで、すべて夫婦二人でやりました。また設立して3年間は、税理士さんに払う報酬がもったいなかったので、決算申告もすべて自分でやりました。

設立初年度の秋に新規顧客開拓のため、宇都宮市内で開催された「とちぎ住宅フェア」に出展費用8万円を負担してブースを出しました。まわりの大手ハウスメーカーのブースは、どこも広告代理店の社員が準備している中、当社だけは一切業者を使わないで夫婦ふたりで準備したことも、今となっては懐かしい思い出です。その住宅フェアで当社第一号のお客さんとなった木村さん、第二号の森さんと出会えたことは、本当にラッキーでした。もし木村さん、森さんと出会わないでいたら、運転資金が底をついて今頃悲惨な境遇にあったかもしれません。木村さん、森さんには今でも本当に感謝しています。

田舎に移住して仕事がうまく見つかるだろうか?、お店や事業は成功するだろうか?と今悩んでいる方が読者にいたとしたら、私が伝えたいメッセージは、シンプルに「賭けろ」です。いくら頭で考えても、答えは出てきません。実際の環境に身を置いてこそ実効性のある行動がとれるものです。田舎には都会にはないニューフロンティア(誰も手をつけていない世界)があります。前回のブログでも書きましたが、日本の将来は東京ではなく地方・田舎にかかっています。だから賭けるだけの価値は、間違いなくあります。

あとひとつ、都会から移住して田舎でお店や会社を立ち上げて成功するための秘訣は、都会的なセンス・感性を田舎の既存の資産や環境にかけ合わせることで、他にない独自の価値を生み出すことじゃないかと思います。都会的でスマートな感性は、競争社会の都会では埋没しても、田舎ではやりようによって輝きを放ちます。このHPで連載している「キャンプの達人」の施主・森上さんご夫妻を見ていると、スマートな企画デザインセンスをキャンプ場に掛け合わせることで、他にない魅力的なキャンプ場を作り出してきました。またご夫妻は、日頃から東京発の流行や情報に触れるように努め、感性というアンテナを錆びさせない努力も続けています。これも大いに見習いたいところです。



kizakisan

東京から鹿沼の山の中に移住して、ハーフビルドした自宅に併設したカフェを開業された木崎さん奥様とツーショット。木崎さんは田舎でカフェを開業するのが長年の夢でした。



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