田舎の土地探しと都会の土地探しは大きく違います。

最近、東京から那須へ土地探しに来られる方が大勢いますが、都会での土地探しと同じ要領で那須へ来て右往左往される方が非常に多いようです。
田舎の土地と都会の土地の違いを整理してみたいと思います。

違いその1 場所の特定
都会の土地は住所を入れればGoogle マップで見れて土地の状況が分かります。かたや田舎の土地は住所地番を入れてもGoogle マップでも正確な位置には到達できません。ましてやGoogleマップ以外の地図ソフトでは絶対に到達できません。不動産屋さんに正確な位置をポイントしたGoogle マップを送ってもらうか、ないしは住宅地図にポイントしたものを送ってもらうかしないと土地には到達できないことになります。

違いその2 境界の特定
田舎の土地はきれいに区画された分譲地以外は、境界杭が無い事の方が多いです。不動産屋さんの同行なしで一人で土地を見に行っても、どこまでが売地なのか分からないことになります。

違いその3 土地価格の相場
田舎の土地は土地取引の絶対数が少ないため、都会の土地のような”相場”がありません。売主(地主)の意向で売値が決まります。バブルの頃に高く買った土地を持つ売主はどうしても高めに売り、安くても早く手放したい売主は安く売ります。最近、当社で紹介して売れた土地は坪1万円でしたが、そのすぐ近くの土地は(条件が悪いにもかかわらず)坪2.5万円で売り出しています。那須の土地も坪5千円から5万円まであまたありますが、必ずしも値段が高い土地が条件が良いとは限りません。何故なら売主の意向で売値が決まるからで、土地の条件の良し悪しで価格が決まるわけではないからです。ではどう対処したらいいか? 都会の方が何度も土地を見に田舎へ足を運ぶことは難しいとは思いますが、土地を出来る限り沢山見て、自分なりの相場感を持つ以外に無いように思います。

違いその4 田舎の土地は水道と傾斜を見るべし
田舎の土地は水道の条件と土地の傾斜によって、土地購入後の建築コストが大きく変わってきます。いくら安い土地でも水道の引き込みに多額の工事費がかかり、水道引き込み工事を加味すると土地の実質的な坪単価が倍近くになるケースはよくあります。また傾斜の大きい土地は基礎工事や盛り土造成工事に多額な費用がかかることがあります。先日、300坪の土地を100万円で買った方が相談に来られました。調べてみると水道引き込み工事、造成工事、基礎工事、地盤改良工事が余計にかかるため、平坦地に建てるよりも300万円近く建築コストが増えてしまうことが分かりました。(その方は実質的に300坪の土地を400万円で購入したことになります。)土地の契約をする前に、設計者や建築業者と同行して一緒に土地を見てもらうのが賢明です。

違いその5 田舎は不動産屋さんのマージンが低い
最後になりますが、土地を仲介した場合の不動産屋さんが得るマージン(手数料)は都会と田舎では大きく違います。
都会の土地は金額がはるため約4%の仲介手数料マージンでも十分な利益になります。かたや田舎の土地は土地の売買価格が100万円以下だと、数万円の仲介手数料マージンしか不動産屋さんには入りません。往復50キロほど離れた土地へ3回同行し、書類作成なども含めて実質2日を費やしたとすると、ガソリン代と人件費で数万円のマージンは飛んでいきます。このため、那須の不動産屋さんの中には「土地を買う意思が明確でない客の土地への同行はしない。」と明言している不動産屋さんもいます。土地を買う意思がないのに冷やかし半分で土地案内を依頼すると、2度目から断られることになります。事前に十分調べてエリア、価格、広さ、その他の条件を自分なりに絞り込んでから不動産屋さんに行けば、不動産屋さんも「この人は真面目に土地を買う意思がある。」と判断して親身に相談に乗ってくれるでしょう。

以上、田舎で土地を探すときの留意点を整理してみましたが、参考になりましたでしょうか?