株式会社ハーフビルドホーム Half Build Home

  • お問い合わせ・カタログ資料請求お問い合わせ・カタログ資料請求

株式会社ハーフビルドホーム Half Build Home

TOPスタッフブログどうする那須移住、新築? リノベ?

どうする那須移住、新築? リノベ?

2023.4.28



那須へ移住する際に最初に意思決定しなくてはならないのは「中古物件」か「土地を買って新築」かになるでしょう。まず中古物件について、築10年以内の比較的新しい物件は別にして、通常はリノベーション改修なしですぐに住める物件は無いです。20年以上前に建築された別荘だと夏限定利用で建てた別荘がほとんどで、そのため断熱されていないことが多く、また森の中の建物だと湿気で外壁や屋根がやられていたり、柱梁土台といった構造も腐食していたり、室内もかび臭いのが普通です。別荘としてでなく長期間定住を前提にするのであれば、相当規模のリノベ改修工事は必須と考えた方がいいです。

余談ですが、数年前に近所に移住された若いご夫妻が断熱されていない築25年の中古住宅を購入して1年暮らした結果「12月から3月の厳冬期には24時間暖房し続けてもまだ寒い」「灯油代が月間5万円以上かかった」「窓の結露がひどく朝窓が凍って開かない」「夏場は北側の部屋のカビがひどい」と嘆いておられました。その方は結局、新築住宅を新たに建てることになりました。


中古建物の大規模リノベ改修工事、いくらかかる?



2018年当社で請け負ったリノベ改修工事ー那須S様邸床断熱改修工事画像です。<左>床をすべた解体し床下に防湿コンクリートを打ちその上に鋼製束を建て大引と根太を設置します<右>根太の間に75ミリ厚のポリスチレンフォーム断熱材を入れたところ。その上に合板を貼り床フローリングを貼っていきます。



中古物件を購入して断熱改修と構造改修した場合いくらかかる?


断熱されていない建物の場合、天井裏の断熱は建物を壊さないでできますが、壁の断熱、床下の断熱、窓の交換は壁や床を壊さないとできないので大掛かりな工事になります。上の画像は2018年に当社で請け負った那須の中古別荘のリノベ工事における床断熱改修工事、床構造改修工事の画像で、これをみていただければ床を直すだけでも大掛かりな工事になることがお分かりいただけると思います。

床面積30坪程度の建物で断熱等等級4(那須町は4地域でUA値は0.75、※)まで断熱性を上げようとすると最低でも700万円くらいはみておく必要があります。700万円には窓を全て交換して壁と床と天井に断熱材を入れる断熱工事だけでなく、壊した床や壁を新たに作り直す造作工事も含まれます。さらに壁や床をめくってみたら土台や柱がシロアリにやられて腐っていたりすると、土台や柱を交換したり床下に防湿コンクリートを打ったりする構造改修工事もプラスでかかってきます。この構造改修工事は工事の範囲や痛み具合にもよりますが100万円から500万円くらいかかると思った方がいいです。また浴室、キッチン、洗面、トイレを新しい設備に交換すると最低でも300万円くらいかかります。それ以外に室内の壁や床の塗装、クロスの張り替えと言った造作工事に約100万円、全て合計すると1,200万円から1,600万円リノベ改修工事にかかると考えられます。中古物件を700万円で購入したとすると、建物購入費とリノベ改修工事費でおよそ2,000万円〜2,500万円は予算だてする必要があります。もちろん、別荘として夏の避暑でしか使わないのであれば、お金を掛けず500万円以内で済ませることも可能です。※<注>以前は断熱等等級4が最高水準でしたが今はより断熱性能の高い住宅に求められる等級5もあります。等級5はZEH水準の断熱性です。那須は4地域なので4地域の等級5UA値は0.6です。当社の標準仕様で建てた建物のUA値は0.56〜0.58で等級5をクリアしています。


更地を購入して新築した場合いくらかかる?


次に新築で建てた場合のコストについて解説します。那須の売り土地は分譲地で200坪前後であれば500万円前後で購入できます。建物建築費は大きさや仕様によって巾がありますが、当社の自然素材100%仕様の自由設計ですと4人家族様が住める床面積25坪の注文住宅で2,500万円から3,000万円くらいかかります。参考までに、ウッドショック前の2019年頃であれば1,000万円台で建築された当社の施主さんもいました。が、ウッドショックで木材価格が3倍になり木材以外の原材料費も高騰した現在では建築総コスト2,000万円以下で建てることは難しくなっています。

以上を総括すると、

那須で中古建物を買って大規模リノベした場合で2,000万円〜2500万円(中古物件費+リノベ工事費)

那須で土地を買って新築注文住宅を建てた場合で土地代と建築費合計で3,000万円以上 (土地代+建物新築工事費)

となり、コストだけでみれば中古建物の方が初期投資額は少なくなります。ただ以下のような那須の中古物件特有の問題をよく理解して購入することをお勧めします。


那須の中古物件の問題点


私はこれまで20年間那須で建築と不動産の仕事をして沢山の中古物件を見てきましたが、「これなら安心、買ってもいいかも」と思った物件は極めて少なかったです。ぱっと見は良く見える建物でも安心して買えない訳があります。それは以下のような準寒冷地で別荘地の那須特有の理由によります。


問題1 壁の中、床下の断熱と腐食具合が分からない




ワンオーナーさんが大事に使ってきた中古物件は那須の別荘には少なく転売を繰り返した物件がほとんどです。よって建築当時の契約書や申請図面が無いことがほとんどのため、壁や床下の断熱がされているか、土台・柱の腐食具合がどうかが買う時点では分からない、そんなリスクがどうしても那須の中古物件にはつきまといます。


問題2 地盤の弱い地域に建てた中古物件



那須連峰の麓に位置する那須では谷池と呼ばれる地下水脈が浅く軟弱な地盤のエリアが存在します。最近の建物であれば地盤調査をして軟弱地盤であれば地盤改良工事を行い基礎も鉄筋の入ったベタ基礎で建てられているので問題ないのですが、古い建物では地盤改良工事はおろか基礎に鉄筋が入っていない建物も多いです。住宅の基礎に鉄筋を入れることが法律で義務付けられたのは1981年、地盤調査が義務付けられたのが品格法で瑕疵担保責任保険加入が義務付けられた2009年以降なので、それ以前の建物で軟弱地盤エリアに建っている中古物件は要注意と言えます。


問題3 悪質業者による手抜き工事




現在では少なくなりましたが、私が那須へ移住した2000年頃にはまだまだ悪質な建築会社、不動産会社が那須には数多く跋扈していました。それらの会社が手がけた建物は手抜き工事がすさまじく、我々那須の同業者の間では「〇〇物件」(〇〇には悪質な会社名が入ります)と呼ばれていました。それらの会社は断熱材も入っていないような安普請の建物を信じられないくらい高額で販売していました。


過去の那須移住抄ブログ一覧はこちらから

最新記事