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那須hills2 2014年3月19
床の塗装が終わり晴れて完成です。施主の森上大輔さん佳代さん、ほんとうにごくろうさまでした。今回の森上邸のハーフビルドを通して、私自身たいへん大きな刺激啓蒙を受けました。これまでも私は「建て主参加の家づくりこそが、無駄にコストがかかって面白味のないニッポンの家づくりに風穴を開ける」と信じてきましたが、その想いが一層確信になりました。
普通に建てる住宅は、たとえそれが職人が丁寧に手作りした無垢材の家であっても、所詮住む人の想いと切り離されたところで”製造されてしまう”物です。そこには住む人=施主の人生観や感性、生活する上で大切にしたいと考えている信条やスタイルは反映されません。つまり、普通に建てた家には「物語」が無いのです。物語が無いために愛着も湧かない。新築して住み始めてすぐに、仔細な出来栄えが気になって不満やクレームが絶えない、ということになってしまいがちです。一方で建主が参加して手づくりしたハーフビルドの家には、施主が慣れない建築現場で苦労したり歓喜したりした歴史や思い入れといった「物語」が刷り込まれています。その物語のある家に暮らすことこそが、本当の豊かさだと私は思います。施主の森上大輔さん佳代さんご夫妻にとっての想いや物語は、できるかぎりこの建築アルバムと連載企画「キャンプの達人家をつくる」で紹介してきました。最後になりますが、森上さんご夫妻の物語がつまった森上邸の見学勉強会を、5月下旬頃開催させていただくことになりました。詳細は追ってHPでお知らせしますのでご期待ください。
2014年3月19日 サンルーム土間から眺めたリビングダイニングスペース、左はキッチン、右は通称”モロッコスペース”。家の中心にヨツールF400がどんと鎮座する
2014年3月19日 <左>カウンターの奥がキッチン。タイルや塗装の色づかいで自分たちの個性を出すのが森上流 <右>漆喰壁のコーナー(出隅)はわざわざ下地を削って丸く仕上げてます。このため室内全体が柔らかい表情に仕上がっています
2014年3月19日 <左>リビングから眺めた土間サンルーム。10畳あるこの土足空間は「誰でもオープンに家に入ってこれるように」といった主旨で施主さんが希望した土足生活の間。「引っ越す前に土間モルタルにウレタン塗装する」そうです <右>所有しているアンティーク家具を置く予定の場所の壁には、カラシ色(?)の漆喰用塗料が塗られていた
2014年3月19日 <左>完成した自作キッチン。天板は人造大理石 <右>キッチン背面の調理カウンター天板はタイル貼り。自作キッチン製作の様子は、この建築アルバム「Nasu hills2」の12月6日、12月25日頁で紹介しています
2014年3月19日 内部の開口窓もすべてオリジナル自作でしかも個性的です。 <左>モロッコスペース(リビングの一角)と玄関室の間仕切り壁に設けられた通気明り採り窓。床板の余り材と木の枝で作った森上さんらしい作品  <右>2階の部屋から吹抜けを見下ろす窓の扉。こちらも建築余り材でつくった。このデザイン好きです
2014年3月19日 2つのタイル造作作品 <左>洗面室台も自作ですがカウンターのタイルはなんとこれまで取り寄せたサンプルタイルの寄せ集め。遊び心もここまでくると脱帽です <右>名古屋モザイクでオーダーメイドしたデザインミックスタイルは佳代さんの執念の力作、一見の価値ありますよ
2014年3月19日 <左>寝室の壁には収納用開口部が <右>”ビスケットハウス”はもうすぐ建築現場から住いに変身します。それにしても”ビスケットハウス”のネーミングはおみごと
2014年3月19日 <左>2階吹抜け天井も梁も白く塗りつぶしペイント <右>2階ドーマー部屋は左右対称に二つありますが、方側の部屋の天井は杉板の無塗装で木肌が見えます(もう方側のドーマー部屋は建築アルバム1月23日で紹介した天井にも漆喰を塗った白一色の通称”エーゲ海”部屋)