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H邸完成に想う 

「自分の家を自分で作ってみようかな。。。」と誰しもが一度は考えるそうです。が所詮シロウトには無理だと諦めるのが普通なのでしょう。一握りのチャレンジ精神に富んだ人達が、「いっちょやってやるか。。」となるわけですが、それでもいざ始める段になると「本当に自分に出来るんだろうか?」と不安に駆られるようです。

 さて今回見学会の場を提供してくださった宇都宮のHさんもそんな一人です。宇都宮市在住で新聞社にお勤めの40代管理職、日曜大工もまったくの未経験でしたが、2年間かけてよっくりと毎週末家作りをご家族で楽しまれ、最後にはプロ顔負けの緻密さとアートセンスを感じさせる完成度の高い家を作ってしまいました。そんなHさんでも始める前は、期待3割、不安7割の心境だったそうです。

では「腕」や「技術」や「経験」以上にセルフビルドを成功に導くものは、Hさんにとって何だったんでしょうか? 以前Hさんがポツリと語ったことがありました。「詰まるところ好奇心じゃないかと思います」と。ハ-フビルドの家づくりでは、大まかな間取り・構造・仕様は当然前もって決まっているものの、造作のデイテールについては特段決めは無いのが普通です。つまり作業を進めていく中で「ヨーロッパの田舎で見た家のように仕上げたい」「あの店の壁にように作りたい」といった自作的アイデアを出発点にして、それを実際に現場でマテリアルや道具と格闘しながら思い描く姿に壁や床や棚や建具を仕上げていく。これがまさしくハ-フビルドの醍醐味と言えます。

 この意味で建て主の「好奇心」こそが、自作的家づくりを成功に導く原動力だとHさんは考えたのでしょう。完成したH邸を前に「なるほど好奇心か。。。」と何度も納得させられました。一緒に見学した2家族様も同様に感銘を受けられたようです。貴重な見学会となりました。

2006年7月2日 宇都宮市H邸にて
株式会社ハーフビルドホーム 代表取締役青木真

1階リビングから吹き抜けを通して2階ロフト寝室を眺める。「プライバシーのない家」(Hさん談)らしく、間仕り壁やドアが極端に少ない。天井に貼ったレッドシーダーと、壁の珪藻土が絶妙にマッチしている。
スイスをこよなく愛する登山家らしく、玄関周りはアルプスの山小屋風。
外壁の一部は石貼り。よーく覗くと、Hさんが世界各地で登頂した祭の記念の石が貼り付けてある。Hさんが最も得意げに説明する場所だ。
H邸では木や漆喰などの素材のほか、石、タイル、布などがさりげなく使われているあたりに好奇心に裏付けされた建て主さんの感性を感じる。薪ストーブは米国ヴァーモントキャスティング社のアクレイムで、そのストーブ背面と炉台には近所で産出する大谷石が使われている。勿論、見えるところ全ての施主Hさんの自作。
(写真左)清潔感溢れる洗面所も全てHさんご夫妻の手づくり。
(写真右)浴室は十和田石とヒノキ板の国産マテリアルだけで自作した。「2ヶ月もかかっちゃいました。」と屈託無く話すHさん。
今回見学した2家族様にアルバムを見せて説明するHさん。今秋着工予定のUさんは 「よーし僕達も。。。」という気持ちになったそうです。
「いつでも山が眺められる家」 がH邸のコンセプト。そのコンセプト通り、寝室のベッドからも、リビングからも、デッキからも山が眺められる